お葬式の香典返しの習わしと寄付について

お葬式のお礼を兼ねて、法要後に香典返しをすることが近年では一般的な風習になっています。しかし、一昔前にはこの風習はありませんでした。特に村や集落では近隣住民とのつながりが強く、不幸があればお香や農作物を持ちより、それを家族や参列者へのお食事として、香典返しのお礼としていました。そして、頂いた方の親族が亡くなられた際にも、同様のことをしてお礼をしていました。しかし、近年では地域によっては働き口が無く、若者を中心に都市部に進出することが増えてきました。そのため、お葬式のお礼を直接帰すことが難しくなったことから、香典返しの風習が始まりました。

香典返しの定番商品にお茶がありますが、これには仏教と深い関係があります。奈良時代から仏教の考えを教育するため、中国から僧侶を招きました。その際に、毎日健康を守っていただいているお礼として、万病の薬としてお茶を持参してきました。このお茶ですが、人々の境界線を区切る意味も含まれています。仏教では、人が亡くなってから旅立つにあたり、境を超えることがお茶に含まれることを意味します。現在も香典返しのお礼及び、お葬式に参列された方にお茶が配られることが多くなっています。これには、お茶を配る、飲むことにより故人との別れを大切にするという意味が含まれ、一つの習わしです。

香典返しには、物によりお葬式に参列していただいたお礼の意味が込められています。ほとんどの家庭では物によりお返しをしていますが、故人の意向や地域によっては福祉に寄付する場合があります。地域に還元して今後の地域活動に役立ててもらいたい場合や、各地域における福祉に役立ててもらいたいなど人それぞれの意向があります。特に共通認識を抱いている地域においては寄付することを想定して、お葬式の香典費用を一律にしたり、抑えめに設定しています。

一方、香典返しは手紙によるお礼のみにして全額寄付することは、独りよがりな印象を相手に与えかねません。香典の一部で構わないので返礼品に充てて、挨拶状にて一部寄付した旨を報告する方法もあります。